ペットが亡くなったとき、深い悲しみの中で「何をすればよいのか分からない」という飼い主さんも少なくありません。感情的な整理と並行して、実は必要な行政手続きがいくつか存在します。特に犬を飼っていた場合には法的に提出が義務づけられている手続きもあるため、早めの対応が求められます。本記事では、ペットの死後に必要な行政手続きや連絡先、注意点をわかりやすくまとめてご紹介します。
犬を飼っていた場合に必要な行政手続き
日本では犬のみが法的に登録・管理の対象となっており、死亡時には市区町村へ届け出る義務があります。猫や小動物の場合、義務的な手続きは通常ありません。
1. 犬の死亡届(犬の登録抹消手続き)
- 提出先:飼い主が住んでいる市区町村の環境衛生課、または保健所
- 提出期限:死亡から30日以内(自治体によって異なる場合あり)
- 提出方法:窓口持参・電話・FAX・オンライン申請(自治体による)
- 必要な情報:登録番号、犬の名前、死亡日、飼い主の氏名と連絡先
死亡届を提出すると、登録番号の抹消と狂犬病予防接種通知の停止が行われます。
2. 狂犬病予防注射登録の抹消
年に一度通知が届く予防接種案内も、死亡後は不要になります。死亡届を出すことで一緒に抹消されますが、自治体によっては別途届出が必要な場合もあるので確認しておきましょう。
3. 犬の鑑札・注射済票の返却(任意)
登録抹消後に鑑札や注射済票を返却することを求められる場合があります。記念に手元に残したい場合は、その旨を伝えると了承してもらえることが多いです。
猫・小動物の場合の行政手続き
猫、ウサギ、ハムスター、鳥、フェレットなどについては、行政上の登録義務がないため、死亡時の届け出も不要です。ただし、以下のようなケースでは手続きや連絡が必要になることもあります。
- マイクロチップ登録:環境省のデータベース(AIPO)などに死亡報告をすると情報が更新されます。
- ペット保険加入:死亡により解約・保障終了となるため、早めに連絡を。
- 里親登録団体などに届け出た動物:その団体に報告が必要な場合があります。
遺体を自治体に依頼して処理する場合の注意点
一部の自治体では、ペットの遺体を一般廃棄物として清掃センターで処理する制度があります。利用する際は以下の点に注意してください。
- 「ゴミ」として扱われるため、返骨は不可
- 火葬施設がある自治体もあれば、契約業者が対応する場合も
- 料金は数千円〜1万円程度であることが多い
- 合同火葬・慰霊碑設置がある場合もある
気持ちの整理と合わせて、こうした制度の活用も視野に入れて検討しましょう。
ペットの死後に確認しておきたいその他の関連手続き
- ペット保険の解約・死亡届:契約内容に応じて死亡給付金の請求ができる場合もあります。
- 賃貸契約の確認:ペット可物件で契約時に登録している場合、管理会社へ報告することがあります。
- 家族や同居人への情報共有:狂犬病通知などが続かないよう家族で情報を共有しておきましょう。
まとめ
ペットの死はとてもつらいものですが、飼い主として最後まで責任をもって行動することも大切です。特に犬を飼っていた場合は、登録抹消や予防接種関連の行政手続きを忘れずに済ませておきましょう。感情の整理がつきにくい時期でもありますが、行政手続きをひとつひとつ終えることで、気持ちにも一区切りをつけるきっかけになります。